コーチングって何か?

先日、ある大学で『終末医療(ターミナルケア)におけるコミュニケーション』の研修会をやってきました。

看護師さん、お医者さん、大学の先生など多数お越しくださったのですが、
僕は、ターミナルケアの専門家でないどころか
まったく現場の状況が分かりませんから、結局コーチングについて話すわけです。。。

ターミナルケアでコーチング、って普通の感覚からすると変だと思うんですよね。
だって、世間一般のいわゆる『コーチング』って、
目標を明確にして、そこに向けてのアクションを促す。みたいな感じだから、
終末医療とか緩和ケアとかの患者さんにするには、違和感があるというか。

実際、会場の人たちも、僕の経歴(プロコーチを1500人育成とか)が紹介されると、変な顔してるわけです。。。

だから、研修会の最初でこんな風に伝えたんです。

「なんでターミナルケアの研修会にコーチングの専門家が話に来るんだ?と不思議に思う方もいらっしゃるかも知れません」
「実は僕がいうコーチングっていうのは、人が『よりよく考えることを手伝う』ことなんです」
「(中長期的に)あなたも含めてみんなが幸せになるためには、何をしていったらよいか。それを考えるのを手伝うのがコーチングなのです」
「なぜコーチは、それを手伝えるのか?実はコーチは、よりよい判断を助ける『考え方の原則』を知っているのです」
「事前にみなさんが、仕事で悩んでいることを伺いました。例えば『患者さんにバッドニュースをどう伝えたらいいのか?』『標準的ながん治療と民間療法とのあいだで悩んでいる患者さんにどう関わったらいいか?』『絶対に無理な願いを語る患者さんに対してできることは?』『ストレスとなることが多い職場でモチベーションを上げるにはどうしたらいいか?』」
「これらの悩みを解決したくて、カウンセラーのところに行く人はほとんどいないと思います。ましてやコーチなどと言う人が相談にのってくれるとは思わないかもしれない」
「でも一人で悩んでも、周りの人に相談しても解決しない。。。」
「これから私は、アドラーという人が教えた『考え方の原則』について話します。この原則が分かると、さきほどのような悩みをどう考えたらいいか?が分かります。そして、みんなが幸せになるためにはどんな行動をとるのがいいのか?そのヒントが導き出されるのです」

こんな風に話し始め、アドラーが伝える『原則』を解説し、
その後、現場の悩みごとに1つ1つ触れて、どう考えたらよさそうか?そうしたら何がおきそうか?を話しました。

3時間の研修の最中、ひときわ目立つ女性がいました。キラキラ輝く目で、ずっと僕の話を聞いていてくれました。
あまりにもその方が印象的だったので、研修終了後に感想を聞きにいきました。
どうでしたか?ときく僕に対して
「これまでの研修会では、たくさんの先生たちが、いろいろな理論を説明してくれた。だけど、わたしたちの目線に立って、一緒に考えてくれたのは宮越さんが初めてで、これほどありがたいことはなかった。自分たちの現実をどう捉え、何をしたら良いか分かったし、アドラーの考え方もシンプルなので、分かれば自分たちでも、考えていけると思う」

聞けばこの女性は看護師さん1200人を抱える看護部長さんだったそうです。
現場でたくさんの苦労をされた方であり、人生の大先輩でもある方に貰った言葉が本当に嬉しくて、嬉しくて。

他にも緩和ケアが専門の教授に
「緩和ケアの原点を思い出した」と言っていただいたり、本当にありがたい研修でした。
アドラーについて学び、考え、そして、たくさんの方の悩みの解決を共に考え、たくさんの方が自分の夢を実現して世の中の役に立つことを支援してきた年月が、また人の役に立った。
そのことがなにより嬉しいのです。

私たちのコーチングは、あなたが、アドラーの考え方に基づいて、考え、実践することを手伝うものです。
※もちろん多くのアドラー派がそうであるように、僕もアドラーをベースに様々な理論や技法を組み合わせていますが
人が(人の中で)幸せに生きることについて、人生をかけて探求したアドラーの言葉は、温かく、時には厳しく、私たちに問いかけます。
それを受け止めつつ、また、今ここからスタートして、
人の世で、自分の人生をつくっていく。
自分の持っているものを活かし、人と協力しながら、幸せな世の中を作るために、考え、工夫し努力する。
それを一緒にやりたいのと願っているのが、アドラー派のコーチなのです。

ありがたいことに、僕の講演会にはいろんな人が来てくれます。そして色んな人が、この考え方、やり方は役に立つ、と言ってくれます。
今回もそうでした。看護師さんも、お医者さんも、大学の先生も、学生さんも、患者さんも、その家族も、
カウンセラーも、コーチも、近所でポスター見た人も、
みんなおんなじ話聞いて、みんな「自分の人生に役に立った」と言ってくれます。
これはそれだけの汎用性を持った考え方、やり方だから。
様々な現場で多年の経験を持つ人が、「役に立った」「原点に戻った」「もっとはやく聞きたかった」と言ってくれるだけの何かがあるのです。
それだけのことが含まれているから100年の時を超えていま、アドラーが見直されているのだと思います。

諸先輩方の不断の努力のおかげで、昔に比べたらはるかにアドラーが学びやすい時代です。
ぜひアドラーを学び、実践をして下さい。実践の勘所を掴むまでは、ぜひふさわしい人に手伝って貰って下さい。
アドラーの思想がただの教養に終わりませんように。
実践され世の中がより良いものとなるように使われること、それがアドラーだと思っています。

僕も『フリービデオ』『講演会』『コーチングスクール』を通じて、引き続き貢献していきます!

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